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2+2=4 2×2=4

 昔、ベカルタ仙台というJリーグチームにひとりの熱心なサポーターがいました。戦術くんといいます。もちろん本名ではありません。まだ、仙台が人気のなかったチーム、J2やJFLのころからスタンドにいて、誰よりも大きな声で、ベカルタ仙台を応援していました。

 彼は、いつもスケッチブックを応援ボードがわりに持って、応援していました。そのボードには戦術が書かれていたり、メッセージが書かれています。手に持ちながら、一生懸命応援する彼のすがたを見て、みんなは「戦術くん」と呼び始めたのです。仙台がその後、J2に上がり、J1にあがり、そして6万人がはいる宮城スタジアムを満員にするチームになっても、彼の姿はスタンドにありました。

 そんな彼が、持っていたボードのひとつに

 2+2=4  2×2=4

 と計算式が書かれたものがありました。見ていた人は、そのボードが出るたびに不思議に思っていました。戦術くんは、いつも熱心に応援しているため、なかなかその意味を聞くことができません。ただ、ある日、意を決した一人のサポーターが戦術くんに、そのボードの意味を聞きました。じゃあ、戦術君は、「ゴールにたどり着く過程は違っても、結果的にそこにたどり着ければそれで良いということです」と言いました。

 その後、仙台はJ2に再びおち、またJ1に上がり、またおち、そしてまた上がって、今年はJ1での優勝争いをしています。いろいろ迷いながらも、前に進む仙台。いつしか彼の言葉は、ファン、サポーターの中での、共通の言葉となっていくのです。

 彼の姿は、もうスタンドにはありません。2002年、宮城スタジアムで日韓ワールドカップが行われた年に心筋梗塞で34歳の若さながら亡くなりました。しかし、彼の思いは、今もベカルタ仙台というチームに息づいています。

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(2011ー11ー01記)

2021年10月10日 ルヴァンカップ準決勝2ndレグ セレッソ大阪ー浦和レッズ

ルヴァンカップ準決勝2ndレグ

スタメン
-----ユンカー-----
--江坂--小泉--関根--
---伊藤敦--柴戸----
-明本-ショルツ-岩波-西-
------彩艶------

 1週間前に行われた安田生命J1リーグ・神戸戦では、5-1での敗戦。点差的にはショックな敗戦でしたが、内容的には、前半で神戸のシュートが3本枠内3本ゴール3本という運が無い面もありました。GKから繋ぐスタイルの浦和レッズには、芝の状態が良くない、かつ前線からのプレスから厳しいとビルドアップが難しいという課題を改めて見せられた試合。埼玉スタジアム2002の芝の状態であれば問題ないんですけどね。水曜日の1stレグでは、前半は良い展開でおわりました。  

 その3日後の2ndレグ。ヨドコウ桜スタジアム。芝の状態が気になっていましたが、スカパー中継でのピッチリポーター・高木聖佳さんから「ピッチはボコボコこしている、冬芝が根付いていない。まだ生え替わっていない。アウェイのレッズは対応が難しそうだ」という残念なお知らせ。この段階で、いつも通りやるのか、バックスでの繋ぎ省略のプランBを選択するかと思っていましたが、結論的にはいつも通りやる。いつもなら縦パスを出す、平野がいないこともあって、ビルドアップは厳しそうでした。(なかなか伊藤、柴戸から効果的なパスは出ませんでした。2人ともボールを受けるのはうまいので、小泉か江坂が下がっても良かった気がします。)

 岩波かショルツからのロングパスも、セレッソの守備陣がラインをきっちりまとめていて、なかなか出す機会を作れませんでした。前半は我慢の展開で、給水のタイミングでは、高木さんから「レッズ側では我慢していこうという声がでていました」という話もありました。前半は0-0でまとめたのですが、後半、選手交代して活性化させてほしいところで、リカルド監督選択は継続。アウェイゴールルールで、1失点は問題ないし、1得点はしなければならない前提でしたので、できれば早めに選手交代して欲しいとは思いました。

 後半早々に1stレグと同じく、クロスからの失点。加藤の動きだしが良く、最後のフィニッシュも体をきちんと残していました(埼玉のSCクマガヤ出身)レッズは、小泉に代えて山中。明本を前に出して、豊富な運動量と、前からの守備で活性化させます。さらに、関根に代えて田中達也、西に代えて平野をいれて、中盤も活性化させていきますが、ゴールが遠い。最後は、槙野をいれてパワープレーにも行きますが、ボール自体が前線に行かず1-0で敗戦。

 西川ではなく彩艶を先発にしていることで、ルヴァンは、チームとして必ずしも勝たねばならない対象では無く(今年度もU-21先発出場ルールは適用されていないので10代の選手を必ず出す必要は無い)成長させるための対象という感じはしました。失点してからスクランブル体制になりましたが、基本的には、いつも通りの自分たちのサッカーでした。気持ち的には、モヤモヤはするのですが、チームの方が切り替えが早い敗戦かな、とは思っています。

2016年02月28日明治安田生命J1第一節柏レイソル-浦和レッズ

「私は日本語があまり得意じゃないのですけど、私の理解が正しければ予想順位を一位にしてくれましたよね。私のモチベーションをあげてくれました」スカパーでインタビューしている平野さんの顔がうれしそうだ。マスコミと友好な関係を築くペトロビッチ監督のリップサービス。インタビューでは、選手の交代の意図も教えてくれた。李はインフルエンザからの治療あけ、柏木は膝靱帯損傷からの治療あけということでの交代だった。

 今日の先発メンバーは全員が仕事をした。新しく加入した遠藤は、最終ラインを守りながらもチャンスには前線に顔を出す。李は、攻撃陣のサポートに徹し、ポストプレーや自身のシュートなどでチャンスを作った。だからズラタンが交代の準備をしていると聞いたときに意外だった。替えるべき選手がいないからだ。結果的に、李はズラタンと交代し、そのあと解説の岡田さんは、「李が抜けてからレッズはバランスを崩していますね」と繰り返した。結果、1-1の同点に追いつかれる。

 ペトロビッチ監督のコンディションファーストは、今に始まったことではない。去年のシーズン末、柏木が怪我をすればあっさり先発から外した。一昨年のシーズン末では、興梠が怪我をすれば同じく先発メンバーに選ばなかった。二人ともチームにとって替えの効かない選手にあるに関わらずである。実際、今年の天皇杯の決勝は敗れたし、一昨年のシーズン末は失速した。それぞれ、柏木が、興梠がいたらと考える結果だった。

 しかしペトロビッチ監督は起用しなかった。結果、今年の選手力の充実感は多くの人が感じているところだろう。新戦力の駒井、遠藤、伊藤がベンチに入れば、青木、加賀、梅崎司らがベンチメンバーから外れた。選択肢は増えた。我慢の二年間を超えて監督の戦術を理解する選手が増え、今年こそはの期待が高まる

ミシャ監督 柏レイソル戦試合後会見|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

私自身、選手に訴えかけていきたいことは、よりプロフェッショナルになってほしいということです。何を意味するかと言えば、自分に与えられた役割を100パーセントこなしていく、それが求められることです。チーム状況は、毎試合、その瞬間で変わっていきます。その中で、監督である私の決断によって起用された選手が、チームとしての役割をしっかりとこなしていくことが必要でしょう。

日本人の選手は、まだ、先発にこだわりを持っている選手が多いのは確かです。そこは選手と話し、納得してもらいながら進めればいいと思います。健全な競争というものをチーム内に与えていきたいと、思っています。

2016年02月21日ゼロックススーパーカップ サンフレッチェ広島VSガンバ大阪

 「固い試合なので、活躍してくれると思う」副音声で解説している鈴木啓太さんの言葉に納得する。ゲームの後半、交代で浅野選手が準備している段階だった。

 固い試合だった。サンフレッチェ広島(以下、広島)の試合はいつもそうだ。立ち上がりは、深く追い込むことをせず、守備のベースを作る。前半のシュートはガンバ大阪(以下、G大阪)2本、広島1本。シュート数よりも、コーナーキックの数が、その試合の動きのなさを表していた。広島1、大阪0。

 2015年のチャンピオンシップ決勝の時は、ミスからゲームが動き始めた。ディフェンダーが自陣でパスを回している隙に、G大阪の長澤がカットしてゴール。そこから点を取りあい3-2で広島が勝利したが、後半15分という時間まで退屈な試合だった。

 今日も動き始めるのはミスからだろう。お互いにミスを逃さない実力を持っているチームだ。ミス待ちの試合は退屈。しかし、今日の退屈な試合を終わらせたのは、ゴールだった。浅野と交代する前に佐藤寿人。GKと、守備陣の間、中途半端という表現がきっちりにあう場所に塩谷がグランダーのクロスボールを入れてきた。GK東口がキャッチするかと思う刹那、佐藤がそのボールにワンタッチしてコースを変えた。佐藤らしいゴール。

 動き始めたゲームはPKで広島が追加点、宇佐見のゴールとしたあとに、今年から新加入のウタカのスーパーボーレーシュートが決まって、広島が3-1で勝利した。

 カップ戦とはいえ、シーズン前の前哨戦ともいえるゼロックススーパーカップ。広島は、去年からの継続という印象を強く残した。後半に、寿人と浅野が交代で入ってくるのも同じだった。無難な立ち上がり、得点を取ってからのゲーム支配。ウタカは、ドウグラスの抜けた穴を埋めるのではなく、そんな退屈な広島のサッカーの雰囲気を変えるアクセントになりそうだ。浅野とのツートップは迫力があった。

 ので、ドウグラスを抜けた穴は埋められていない。序盤は、結構苦しむのではないか。守備的に入るチームに対して、攻撃陣がどうこじ開けていくかというのが課題だろう。スタメンの平均年齢30歳。去年からの上積み要素は少なかった(ミキッチは、退団という話を聞いていて、浦和レッズが獲得して欲しいと思っていたが、今日、普通にスタメンで驚いた)

 逆に、負けはしたが、広島よりも去年から上積みという可能性を見せたのはガンバ大阪。守る広島に対して、動いて工夫をしようという姿勢が見えたし、実際に崩すことができていた。マリノスからきたアデミウソンが、今後、フィットし始めると更にゴール前でのアイデアが増えるはず。今年は、去年見せた守備力よりも高い攻撃力で、リーグをリードしていきそうで楽しみだ。

 浦和レッズのとの試合では、お互いの攻撃力を魅せるような試合を見せて欲しい。

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 ○森保監督(広) 「がまんしてペースを握れたことが勝利につながった。中央で攻撃の起点をつくることに取り組んでいるが、改善が必要だ」

 ●長谷川監督(ガ) 「この負けをこれから先の試合につなげたい。守備はもっとメリハリが必要。攻撃のコンビネーションの成熟はまだこれから」

(引用:朝日新聞デジタル